この記事では、色がついている紙を選ぶ場合に最も安価で、最もよく使われている色上質紙について書いてみたいと思います。
色上質紙とは?
色上質紙とは、その名のとおり色がついた上質紙です。
今よりも4色印刷(カラー印刷)が一般的ではなかった頃、1色、2色の特色を印刷する場合によく用いられていました。
色上質紙は二つのメーカーでつくられています。
一つが日本製紙の「日本の色上質」、もう一つが北越製紙の「紀州の色上質」です。
日本の色上質紙は30色、紀州の色上質は33色が用意されています。
厚さに関しては、一般の用紙のように〇〇㎏という表記ではありません。
特薄口、薄口、中厚口、厚口、特厚口、最厚口、超厚口というバリエーションとなります。
中厚口は66㎏、厚口は78㎏、特厚口は108㎏の一般紙の厚さ相当です。
厚さに関しては、全てのラインアップがいつも用意できるとは限りません。
日本製紙では薄口、中厚口、厚口、特厚口が常備品として紹介されています。
紀州の色上質に関しては、常備品、受注生産品の表記はありませんが、事前に確認が必要でしょう。
色上質紙はこんな時に使われる
4色での印刷が一般的ではない頃に、色の多彩さなどを表現するために使われていた色上質紙。
4色印刷が一般的になった現在では、使用する機会が減ってきました。
では、4色印刷が一般的となった今、色上質紙はどのような用途に使われているのでしょうか。
小ロットのチケットやプログラム
よく見かけるのが、ロットの小さいチケットやプログラムです。
写真を使用してしまうと、写真がうまく表現できませんが、文字のみのデザインであれば、色上質に印刷し色数を抑えた方が印刷コストは下がるからでしょう。
特にチケットについては、色上質紙を使うケースが未だに多く見られます。
ただ、ロットが大きくなってしまうと、一般紙よりも割高な色上質紙ですので、逆にコスト高となってしまうことがあるので要注意です。
本の見返しなど
印刷がされない、本の見返しであったり、扉に使われることも。
色上質紙を挟むことによって、アクセントとすることができます。
色上質紙の価格は?
色上質紙は、一般の上質紙よりは高コストとなりますが、他の特殊紙と比べると安価でしょう。
色のついた紙を利用したいけれど、コストを抑えたいといった場合には、まっさきに候補にあげて良いかもしれません。
さいごに
コストを抑えて色のついた紙を使いたい場合に候補として挙げられる色上質紙。
ただ、その他カラーバリエーションがあるマーメイドやレザックといった用紙のように、紙に質感や遊びのようなものはありませんので、物足りなさを感じてしまうかもしれません。
4色カラー印刷が一般的となった今、色だけをつけたいのであれば、色上質紙を使う必要もなくなってきました。
そういった意味で、色上質紙をあえて使うというケースはだいぶ減ってきたように感じます。
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